鉄道模型 Nゲージは実車にどれくらい忠実?
Nゲージ鉄道模型を購入される方のご質問でよくいただくのが「実物に対してどれくらい忠実に造られているか?」というものです。
確かにいくらNゲージは精巧な造りと広告に書かれていても実際に比較することはなかなか難しいものです。
最新の新幹線や現在走っている電車であれば自身で見比べることも可能ではありますが、鉄道模型では過去に走っていた車両も非常に人気があります。
昔の車両が商品化されても再現度は低いんじゃ・・・と思われる方もいるかもしれません。
そこで今回は愛知県にある「リニア・鉄道館」に静態保存されている蒸気機関車「C57」を撮影してきました!
C57は現在TOMIXから発売されていますので、これを比較してみましょう。
C57の実車とNT1ゲージを比べてみる
まずは正面からの比較です。
C57といってもいくつも種類があり、今回用意したTOMIXのNゲージ鉄道模型「C57」は3次車、「リニア・鉄道館」保存のC57は2次車となりますが、C57の2次車と3次車では大きく異る形状は少ないため比較対象としました。
形状の異なる点として正面部分のライトや、サイドに付いている手すり、除煙板の形状違いが挙げられます。
真正面から見てみます。
こうしてみると先端のカプラー(連結器)や手すり、煙室扉など非常によく出来ていることがわかります。
しかし、9mmのレールを走らなければならないNゲージ鉄道模型の特徴故に先輪(前に付いている小さな車輪)の横幅の広さは実車両からの縮尺を考えると大きすぎますね。
側面を見ていきましょう。
複雑な動輪や、イコライザー、板バネ、ペデスタルも忠実に再現されています。
側面から先輪部分のアップです。
先輪の形が大きく異なりますが、これは実車両の2次形と3次形の違いによるもので、3次形の先輪がD52形用の流用であるディスク形になっているためです。
先輪と先輪の間にある箱型のピストンやシリンダー、クロスヘッドは非常に細かいモールドで造形が成されています。
続いて動輪部分です。
ボイラーの上にある蒸気だめや砂箱、ボイラー全体を伝う銅色のパイプ、そして動輪を動かすための主連棒にタンクのような空気だめも実車に忠実な出来です。
ボイラー部分に無数付けられたリベット(丸い鋲)もきちんと再現。
このリベットなどは小さすぎて肉眼では視認が難しいほどです。
後ろの動輪部分です。
動輪同士を繋ぐ連結棒や、その上にある空気圧縮機、灰箱もこの小ささながら赤く塗り分けられています。
ボイラーの上部分では2つの金色の筒、ボイラー安全弁も別パーツで取り付けられています。
写真の比較ではNゲージの鉄道模型は使い込まれた汚れがないため、ひと目で模型とわかってしまいますが、ウェザリング(汚し)塗装を丁寧に行えば実車と見紛うかもしれませんね。
運転席です。
実車と同じようにC57を製造した三菱のマークが確認できます。
機関車の一番後ろにある従輪や運転席付近の手すりも省略されることなく造られています。
いかがでしたでしょうか?
とくに初めて購入される方はNゲージ鉄道模型が一体どの程度の再現性を保っているか気になるかと思います。
今回紹介いたしましたようにたった12cm程度のNゲージでも驚くべき細かさで造られており、実車の細かい造形も省略されることなく再現されています。
Nゲージの開発技術も年々向上しており、過去に発売した商品がより細かい再現を加えてリニューアル発売されるなど鉄道模型は日々進化しています。
もし現実の車両でお気に入りがあればぜひNゲージで購入してみてください。
まるで実物が手のひらサイズになったかのような感動を感じられるはずです。