鉄道模型・Nゲージ
車両を走らせる為に必要な『パワーユニット』ですが、走らせる目的の他に操作する楽しみがあります。
パワーユニットを選ぶにも種類が豊富にあり、違いが分からない方も多いはず・・。
また、「常点灯機能」が対応しているかどうかもパワーユニットを選択する上で、重要な判断材料になると思います。
そこで今回は、「パワーユニットの種類と性能」についてご紹介します。
今回紹介した製品:パワーユニット【TOMIX】 / パワーパック 【KATO】
パワーユニットとは・・?
パワーユニットとは、家庭用電源を鉄道模型用の電流へと変換する装置で、車両の走行やポイントの切り換え、踏切や信号機等への電源供給に使用されている、鉄道模型の心臓となる製品です。
パワーユニット毎に最大容量が決められており、最大容量を超えてしまうと・・、
「車両の速度が出なくなったり」、「ライトが消灯したり」といった不具合が生じます。
動力車だけでなく、ポイントや信号機、室内照明灯などの消費電流も考慮してレイアウトに見合ったパワーユニットをお選び下さい。
※ 注意点 ※
『レール+パワーユニット+コントロールボックス』は、
別メーカーの製品には適合しませんので必ず同じメーカーで揃えて下さい。
パワーユニットの種類・特徴
現在発売されている『TOMIX/KATO』のパワーユニットは下記の通りです。
あなたのレールプランに合ったパワーユニットを選びましょう。
メーカー |
品名 |
出力 |
備考 |
---|---|---|---|
TOMIX | TCSパワーユニット N-600 |
1A (1000mA) |
入門セットに含まれている一般的なTOMIX製パワーユニット。 一般的な単線レイアウトであれば、これ1個で十分なパワーを兼ね備えています。 |
TOMIX | TCSパワーユニット N-1001-CL |
1.2A (1200mA) |
N-600のグレードアップ版。 N-600との大きな違いは、「常点灯機能」に対応している点にあります。 室内灯を装備したTOMIX車両を走らせるなら、こちらのパワーユニットがオススメ。 |
TOMIX | TCSパワーユニット N-DU202-CL |
1.2A (1200mA) |
実車の運転台を再現した2ハンドル運転台型のパワーユニット。加速スピードと常点灯の強弱が調節できるアジャスター装備、運転操作状況が分かる表示ランプやメーターも実感的に再現されています。もちろん「常点灯機能」対応。 操作する楽しみを味わいたい方にオススメ。 |
TOMIX | TCSワイヤレス・パワーユニットN-WL10-CL |
1.2A (1200mA) |
N1001-CLと同等の性能を持つワイヤレスパワーユニット。 メインユニットをレールに繋ぎ、遠くからコントロールユニットで操作することができます。小さなお子様でも安心して操作することができます。 |
TOMIX | TCSパワー&サウンドユニットN-S2-CL |
1.2A (1200mA) |
本格的な運転操作ができると共に、デジタル音声によるリアルな“鉄道の音”をお楽しみいただける高機能な運転台型のパワーユニット。 サウンド機能は、さまざまな列車の走行音や警笛、その他の音を臨場感いっぱいに鳴らすことができます。 |
KATO | パワーパック スタンダードS |
1.0A (1000mA) |
入門セットに含まれている一般的なKATO製パワーパック。TOMIXのN-600と同等の性能があるにも関わらず、TOMIX製に比べ価格が安い。複線レイアウトや2車両別操作したい場合にオススメ。 |
KATO | パワーパック ハイパーD |
2.0A (2000mA) |
スタンダードSの上級モデル。出力はなんと2.0A!室内照明付の16両フル編成を走行させてもまだまだ余力十分です。 また、「常点灯機能」も対応していますので、室内灯完備の方にはぜひオススメの一品です。 (常点灯機能は一部点灯しない車両あり) |
表記の説明
(写真は、N-DU202-CLを使用)
電源スイッチ | スイッチの上を押すと“ON”、下を押すと“OFF”になります。 |
ブレーカー | 過電流が流れた場合、電源を切る役目をします。ブレーカーが作動した場合はブレーカーボタンが上がります。 |
ディレクションスイッチ | スイッチを前後に動かすことにより、列車の進行方向を変えられます。 スイッチの真ん中の位置では中立状態となり列車は動きません。 |
加速用アジャスター | マスコンハンドルの加速率を調整します。 |
常点灯用アジャスター | 常点灯システムの調整をします。 |
コントロールスイッチの取り付け方
パワーユニットには必ず左側面にコントロールスイッチを取り付ける為の“サイドコネクター”と呼ばれる凹凸があります。その凹凸にコントロールスイッチをはめ込めば、レバー操作でポイントを切り替えることが出来ます。ユニバーサルスイッチなどを増設する際は、写真右側のようにコントロールスイッチの隣にはめ込むだけ。
数が増えると、どのスイッチがどのポイントに対応しているか分からなくなるので、付属のシールを貼って用途別に並べましょう。
『常点灯機能』ってどんな機能??
車両のヘッドライト、テールライト、室内照明ユニットが停車中でも点灯し、また走行中でもスピードに関係なくこれらのライト類の明るさを一定に点灯することができる、システムのことをいいます。
常点灯システムを楽しむ為には・・
車両側に常点灯用のライト基板や常点灯用の室内照明ユニットと、常点灯システム対応のパワーユニットが必要となります。
トミックス車両製品の多くは常点灯用ライト基板が標準装備されているため、常点灯システムに対応するパワーユニットと室内照明ユニットがあれば簡単に楽しむことができます。
各製品の消費電流はどのくらい??
「動力車+室内灯+ポイントレール」を使用した場合、消費電流がどれくらいなのか把握している人は少ないと思います。製品ごとの消費電流を一覧表にしましたので、あなたのレイアウトに対してパワーユニットが適切かどうか確認してみてください。
【TOMIX製品の消費電流一覧表】
TOMIX製品 |
消費電流 |
使用数 |
---|---|---|
動力車(モーター車) | 最大300mA | 1両につき |
ヘッドライト | 60mA | 1個につき |
テールライト | 60mA | 1個につき |
室内照明ユニット | 最大60mA | 1個につき |
室内照明ユニット(LED) | 25mA | 1個につき |
LEDエンドレール | 20mA | 1本につき |
電動ポイントN/腕木式信号機 | 150mA | 個数に関係なく |
腕木式信号機(信号灯点灯) | 最大2mA | 1個につき |
TCS信号機(各種) | 常用10mA | 1個につき |
TCS車載カメラシステム | 400mA | システム全体 (カメラ車+動力車+受信ユニット) |
TCS自動踏切 | 最大300mA | 1個につき |
TCS自動運転ユニットN | 85mA (スルーモード時) 45mA (その他のモード時) |
1台につき |
TCS電動ターンテーブル | 140mA | 1台につき |
マルチレールクリーニングカー | 最大300mA | 1両につき |
マルチ車輪クリーニングレール | 300mA | 1個につき |
消費電流の計算と実際の運転
上記の一覧表を参考に、消費電流を計算してみましょう。
仮にヘッド・テールライト付の3両編成の列車を走らせた場合、使用する電流は次のようになります。
ヘッドライト60mA+テールライト60mA+動力車300mA+室内照明60mA×3=600mA
これをパワーユニットN-600で運転する場合、N-600の定格出力は1000mAのため、
1000mA - 600mA=400mAとなり、あと400mAの余裕があることになります。
このように、消費電力を考慮してパワーユニットの定格出力の範囲内でご使用下さい。
また、列車の走行時のみに電流を必要とする製品(建物照明ユニットや自動踏切)などは、別のパワーユニットに接続する方法をオススメします。
1台はレールに接続して車両運転専用とし、もう1台にはポイントや建物照明・自動踏切を接続することで、1台あたりのパワーユニットへの負担を軽減することが出来ます。
※パワーユニットを複数使用する場合、ショートする恐れがありますので、
同一レール上にパワーユニットを複数接続することは絶対しないで下さい。
今回使用した製品:パワーユニット【TOMIX】 / パワーパック 【KATO】