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名鉄3500系がデビュー30周年記念して夢の異種連結!
名鉄3500系がデビュー30周年記念して夢の異種連結!
名古屋鉄道は名鉄名古屋駅を中心に、愛知・岐阜県内に広範な路線網を有する大手私鉄のひとつで、地元では「名鉄」と呼ばれています。
「名鉄」の歴史は古く、民営鉄道としては日本で3番目の歴史を持つ老舗となります。
そんな歴史のある名鉄から1993年にデビューした「3500系」が主役のイベントの開催が発表されましたが皆さんご存じでしょうか?
「3500系」が主役のイベントとは 、6月25日(日)に限定運行されるという「異種連結貸切列車の旅」。 これは、デビュー30周年の「3500系」が、名鉄の人気No.1とも言われている「2000系ミュースカイ」と異種連結を行い、イベント当日はオリジナル系統板を掲出して運行するというもの。
「名鉄岐阜駅」を出発し、愛知県岡崎市にある「本宿駅」を往復する今回のルートは、参加者が往路と復路で乗車する車両を交替することから、「3500系」と「2000系ミュースカイ」のいずれも乗車が可能。
さらに名古屋本線出発前には、関係者以外は立ち入ることのできない岐阜県岐阜市にある名鉄の茶所検車支区へも乗車したままではありますが、入線する予定ということで、貴重な体験ができるイベントとなっています。
今回のイベントの目玉のひとつでもある「2000系ミュースカイ」との異種連結。
2005年(平成17年)に愛知万博の開催に合わせて開港した「中部国際空港」へのアクセス用の特急として誕生した経緯など「2000系ミュースカイ」については、以前にもご紹介した車両ですよね。
それにしても誕生してから30周年を迎える「3500系」って、どんな車両なんでしょう?
そこで今回は、「3500系」についてご紹介したいと思います。
現在活躍している車両の基本となる技術が組み込まれた「3500系」
3500系が生まれた背景には、それ以前に活躍していた通勤型車両の存在がありました。それが「6000系」です。
1976年(昭和51年)に登場した「6000系」は、通勤ラッシュ時の利用者の増加に対応すべく通勤用の電車として開発され誕生した車両で、1977年には通勤型車両としては初めてブルーリボン賞を受賞した、まさに通勤型車両のエースとも呼べる存在。
その証拠に6000系、6500系、6800系と時代のニーズに合わせて増備が1985年(昭和60年)まで長期に渡ったことから、多数のバージョンが存在する車両なのです。
そんな通勤に特化した6000系列車両の後継車両として1993年(平成5年)に誕生したのが今回、30周年を記念したイベントの主役となる「3500系」。
通勤車両としての役割を担うだけでなく、現在活躍する多くの車両の基本となる技術が組み込まれ、名鉄の主力車両とも呼べる存在となります。
そのひとつが1980年代に進歩したエレクトロニクス技術を応用することで生まれた、VVVFインバータ制御の導入。ちなみに「VVVF」とは、可変電圧(Variable Voltage)そして可変周波数(Variable Frequency)の頭文字を取ったもの。インバータによって、直流を交流に変換し、電車の加速力と速度に応じて電圧や周波数を変化させながら交流誘導モーターを動かします。
そして「電気指令式ブレーキ」の導入。
これはブレーキ指令がすべて電気的に行われることから、ブレーキシステムが軽量化され、制御性が向上しました。
ちなみに「3500系」の先頭車両の前面には「ECB」のプレートが取り付けられているのに気が付かれましたか?
実はこれ、「Electric Command Brake」の略。つまり「電気指令式ブレーキ」を搭載している証なのです。
さらに運転席にも新たな技術が導入されています。それは「ワンハンドルマスコン」というもの。
「マスコン」とは「マスターコントロール」のことで「主幹制御器」のことを指し、これは鉄道車両の出力・速度を遠隔制御するスイッチ装置のこと。いわゆる「運転ハンドル」というのものですね。
それまでは、この「マスターコントロール」と「ブレーキレバー」が別々に設定されていたのですが、これらを一体化し「ワンハンドル」にすることで、運転操作が大変容易となったと言われています。
これらの技術は最近の新形式の電車では、主流となっている技術ばかりです。
また通勤型車両でありながら、最高速度120km/hで走行できるという性能と、号車番号表示器と車内案内表示装置を特急車以外では初めて備えた「3500系」は、運転を行う側はもちろんのこと、通勤などで利用する乗客側からも快適な移動を追求した車両であることがよく分かります。
そして「3500系」は、2017年から本格的な更新工事が実施され、これまで制御機器や行先表示器の更新はもちろんのこと、室内灯のLED化、非常梯子の設置、車椅子スペースの設置などの改善工事を経て、誕生から30年経った現在でも、名鉄での主力車両として通勤車として活躍しているという点でも、思わず応援したくなる、そんな車両でもあります。
名鉄が走る地元の方々にとっては、「3500系」の「赤い車両」は「名鉄らしい」とも言えるおなじみの車両ですが、私鉄沿線に住む人たちの通勤・通学を支える「赤い車両」となれば、名鉄が身近でない方にも、親しみを持っていただけるのではないでしょうか?
名鉄の車両はNゲージモデルでも多数製品化がされており、当店でも今回ご紹介しました「3500系」をはじめ様々な車両のお取り扱いがございます。今回ご紹介のイベントや、こちらの記事を読んで名鉄の車両に興味を持たれた方は、この機会にぜひコレクションのひとつに加えていただき、ご自宅で走る姿を楽しんでみてはいかがでしょうか?
今回はデビュー30周年を記念してイベントが開催される「名鉄3500系」についてご紹介しました。
それまでの通勤形車両6000系列(6000 6500 6800系)の後継車両として1993年に登場した車両「名鉄3500系」。高性能通勤車として活躍している名鉄の主力車両で2017年からは制御機器の更新など、様々な設備の更新などが行なわれています。
中部国際空港へのアクセス特急「ミュースカイ」。複雑な3次曲面を持った前面や、青と白の斬新なカラーデザインとともに名鉄電車の従来のイメージを一新するスタイルが特徴です。
名鉄の通勤形車両6000系列の中でも、こちらの6011編成は大きな側面窓が特徴的な3次車で、ワンマン対応として客ドア脇にLEDの表示器があるのも特徴です。