自動車輸送で活躍したコキ71 カーラックコンテナ

 

自動車輸送で活躍したコキ71 カーラックコンテナ

電気機関車・ディーゼル機関車など多くの牽引する機関車が発売されており、毎月の新商品のラインナップにも載っております。
その発表と同時に牽引される貨車の発表も多いので合わせてご購入いただくことが殆どです。
貨車といっても種類は多く、駅等で見かけるコンテナ車やタンク車などの他にも普段見ることが少ない貨車等もNゲージでは発売されております。
1両の機関車が何両もの貨車を牽引して走行している姿を駅のホームで見ることもありますよね。
そんな牽引する車両を自分のレイアウトで走らせるのも鉄道模型の醍醐味ですよね。
駅のホームで見るのはコンテナやタンクが殆どですが、運ぶものに合わせ貨車の種類も様々です。
コンテナやタンク以外にも車や動物、そして以前にも紹介した「車」を運ぶ貨車もありました。
今回紹介するのは、以前紹介した貨車とはまた違う車を運ぶ貨車がマイクロエースから発売しておりますのでご紹介致します。

「車」を運ぶと聞くと思い浮かぶのがTOMIXのピギーバック専用の貨車クム80000形だと思います。
以前にも紹介したトラックをそのまま乗せて運ぶあの車両です。
NゲージとHOゲージで製品化されていますが、既に全ての車両が廃車されていますので実際に見た方は少なく、 Nゲージで初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。
そして今回紹介する車両もクムと同じように鉄道模型で初めて見たという方も多いと思います。
今回はピギーバック輸送ではなくコンテナで運ぶ貨車、マイクロエースから発売している「コキ71-5+6 カーラックコンテナ」です。

クム80000のピギーバック輸送を初めて聞いたという方も多いと思いますが、カーラックコンテナも知っている、実際に見たことがある方も少ないと思います。
カーラックコンテナも2000年代には利用されなくなったので、あまり知られていないですよね。
そもそも乗用車を鉄道で輸送するというのは国鉄時代から、Nゲージ化もされているク5000で対応されてきました。
その後輸送の高速化、集電装置等から発生する鉄粉や粉塵、動物などとの衝突による積荷汚損防止するため、 国鉄からJRへ移行する際に乗用車専用コンテナが開発され、各自動車メーカーは専用コンテナで輸送を行っていきました。
ただ専用コンテナでは問題が多く設備が特定の貨物に特化するため復路は空荷になるという欠点が解消されておりませんでした。
この問題を解決するために開発されたのが、往路は乗用車・復路は汎用12ftコンテナを最大4個まで積載可能とした専用コンテナ「カーラック」システムと、複合輸送対応車両コキ71形です。

Nゲージの商品を見てみますと、特徴的なシルバーと赤のカラーリングは勿論「CAR RACK」のロゴマークがあります。
この中に往路は、乗用車を積載した専用の「カーラック ・ コンテナ」に1両あたり乗用車は8～10台、 復路は車を積載する上下二段積み積載装置を底辺床面へ降下し12ftコンテナを4個積載して輸送しておりました。
ここまで書いているので、Nゲージでも車の積載可能と思われがちですが、今回のマイクロエースの商品は残念なことにコンテナの開閉はしません。
たしかに、車とコンテナの積載を完全に再現し、走行させるのは大変ですよね、、。
開閉しないといっても、細部までしっかりと作り込まれているのでご安心を。
「CAR RACK」のロゴ以外にも「日本貨物鉄道株式会社」や「突放禁止」といったものも印刷されております。

車の輸送で活躍したカーラックコンテナですが、構造が複雑で保守費用が嵩むこと、 そしてMPVやCUVの普及により積載する車のサイズが昔より大型になったことで積載効率が悪くなり運用終了となりました。
運用終了後はコンテナの壁を全て取り外した状態で笠寺駅・稲沢駅で留置されておりましたので、地元の方はこの状態のコキ71を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
あの「CAR RACK」のロゴマークのコンテナが無い状態はやはり寂しいものですね。
2020年11月には全ての車両が解体されたため、現在ではカーラックコンテナを見ることは出来ません。
そのようなもう見ることが出来ない車両でも走らせることが出来るのも鉄道模型の醍醐味ではないでしょうか。
コンテナで車を運ぶという今では無い車両を、この機会に触れ歴史を知ることでより一層鉄道模型が楽しくなると思うので是非手に取って見て下さい。

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